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TIVONA通信


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    TIVONA通信第16号

    TIVONA通信第16号



    筆が折れる<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >

     何の苦も無く文章を書ける人を見ると、羨ましくて羨ましくて仕方がない。長い時間と具体的なテーマが与えられていると、まだ書きはじめることが出来る。決められた時期が迫って、加えて、ほかの仕事に追われていたりすると、もう、左記は真っ暗。
     小生は、現在その状態に陥っている。もしかして、1ページ目に、いつもの雑文が載っているTIVONA通信が来るのを毎回楽しみにしている人が居るかもしれない。頑張って書こう。
     最近、日本に住む外国人が増えてきて、80人に一人というところもあると聞いています(朝日新聞)。川崎市のある地域では、10人に一人だそうです。こうなると、各自治体も行政として対応せざるを得なくなってきている。テレビのでも、随分と関連した番組が放映されています。学校、幼稚園、病院etc.色々なところで、コミュニケーションがうまくいかなくなってきている。こうなってくると、私たちの出番も増えてくるのではないでしょうか。その日のためにも、しっかりと、基本的なことを身につけておきましょう。
     日本で、一番外国人が居るところはどこだろう?つくばはかなり多いと思うが、もっともっおおいところがありそうだ。東京に出る機会がたびたびあり、秋葉原の電気街に足を伸ばすことがある。ここには、かなり居る。また、私の職場の支所がある大手町の合同庁舎の中に、入国管理局があり、ここも沢山の外国人が居る。成田空港はどうかというと、私の印象では、最近は、日本人の方がずっと多い。ここで問題。どのように意志疎通を図っているか?答え、日本語。しかし、本当に残念なのは、極めてひどい日本語なのです。しかし、日本語教育ということを考えたことがない人にとっては、「意志が通じればいいじゃないの」と言う人も居ます。
     といあえず原稿を書き終えた!いつも、問題提起で終わってしまいます。次号は、もっとまじめに書きます。

    (小須賀 洋)

    8回外国人による日本語スピーチコンテストの開催について

     今年で第8回目となる外国人による日本語スピーチコンテストが、平成11130日(土)午後1時から、水戸市の県民文化センター小ホールで行われます。残念ながら、財団の日本語講座の受講生の中からは参加者はなかったようですが、日本語教師賞の審査員として、TIVONAの会会長の小須賀さんが審査員として参加します。県内で生活している外国人の皆さんが、日頃考えていることや、日本・茨城の印象、母国の話など外国人の本音を拝聴できる貴重な機会です。皆さんも足を運んでみてはいかがですか。

    (吉波 信子)

    TIVONAフリーマーケットの報告

     快晴に恵まれた1025日(日)に万博記念公園で行われたマーケットには、数多くの外国人も訪れ盛況のうちに無事終了しました。
     我々も、このときだけは副会長の面目躍如の藤岡氏をはじめ、8時半には会長の小須賀先生も準備に来場してくれて、受付をすませ、雨に濡れたビニールを敷いてそれをタオルで拭きながら商品を並べました。
     いつ始まったのかわからないうちに、マーケットは始まり、しばらくして松井先生が来てくれて、店番をしていただきました。そうこうしているうちに、小林先生も参加して、総勢4人で販売をしていたのでした。
     昨夜遅くまで、つくば市の芸術文化の振興に励んでいた、都市振興財団の大木さんと吉波さんがダンボール一箱分の商品を持ってきてくれたりもしました。
     正午まで約3時間、途中ジュースを飲んだだけで、一生懸命に販売し、参加費の1000円とジュース代を差し引いても4850円の売上額を達成したのでした。
     この内容ですが、単価10円でコップ、陶器類を販売した藤岡氏は、お酒の景品のコップでも、銀行などの名入りのお皿でも外国人には売れるのだということを実証してくれました。
     小須賀会長は、子供服中心の販売でしたが、あれだけ服飾関係者が多かった中では検討したと言えるでしょう、でもここに会長が、お客のスペイン語圏の人々と自由なコミュニケーションがとれるという秘密が潜んでいることを知るものは少ない。
     高級品を販売し、目玉商品の大切さを教えてくれた小林先生、さわやかな笑顔で商品を販売した松井先生。
     皆様、本当にありがとうございました。この浄財はティボナの活動費とさせていただきます。

    藤岡さんから~次回のフリーマーケットへの提言~

    • 空袋(ビニールでも何でも良い)をたくさん持って行くこと。
    • 本は、売れないので、「読みがえる」などに持って行くこと。
    • 子どもは飽きてしまうので、連れてこないほうが良いでしょう。

    (藤岡 洋一)

    利用しよう~日本語のホームページ~

     今TIVONAの方でインターネットを利用している人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。先日、日本語ジャーナルを見ていましたら、日本語教育に役立つホームページが掲載されていました。今回は代表的なものをご紹介します。

    • 日本語ジャーナルのホームページ
      http://www.alc.co.jp/jpn/index.html
       月刊誌「日本語ジャーナル」のホームページ。教材に使えそうなものが見つかるかも。
    • 日本語センター
      http://www.alc.co.jp/jpn/index.html
       アルクのホームページ「SPACE ALC]の中の日本語関連のホームページ。日本語を学んでいる人これから学びたいと思っている人を対象に、日本語学習についての情報がたくさん掲載されています。

    おめでとう 鞠麗侠さん

     日本語講座の元受講生が、日本語スピーチコンテストで見事二位に!!

     つくば市国際交流委員会と筑波女子大学国際交流委員会の主催により筑波女子大学で行われた「ディスカスつくば」は、113日文化の日にふさわしく非常に内容の充実したものでした。
     各自5分間の持ち時間でのスピーチの後、筑波女子大学の外国人教師たちによるコメント、質疑応答という形式で進められた第一部日本語スピーチコンテストは、真剣に耳を傾ける聴衆で講堂が満員になり冷房を入れなければならなくなった程盛り上がりました。出場者11名はドイツ、バングラデッシュ、中国、ロシア、韓国、アメリカ、ブラジルと出身国も様々なら、滞在期間、年齢も様々で、最年少は中学一年生でした。
     土浦花火大会へのユーモアあるれる提言、自国と日本文化の比較、日本の英語教育の現状、海外日本人学校の役割、日本語習得の難しさなどをテーマに出場者は熱弁をふるいました。日本語講座出身者である鞠さんは、知り合いの日本人女性の生き方に感銘を受け自分達の家庭生活を建て直したというテーマでスピーチしました。コンテストに出ようと思うくらいですから、いずれも「腕に憶え」というか「口に憶え」のある方々ばかりで、その日本語の正確で流暢なことは驚く程でした。しかし私が特に感心したのは、どの出場者も日本語だけでなくどこの国の言葉で語っても「優れたスピーチ」になる、その内容でした。ユニークな発想、明快で時宜を得た論旨に教えられること、考えさせられることが多く、又しっかり構築したものをユーモアたっぷりに表現する力は見事なものでした。
     何度も原稿を推敲し、ストップウォッチを手に繰り返し練習をかさねて相当自信のあった鞠さんも、他の出場者のスピーチを聞くうちにそのレベルの高さに圧倒され、入賞は殆どあきらめていました。「よく頑張ったし、楽しかったから入賞しなくてもいいよね」と慰めて、審査結果を待たずに会場を後にした私のところへ、「2位に入ったよ、ありがとう」と電話して下さった鞠さんに、思わず私も「こちらこそ、ありがとう」と答えていました。鞠さんのおかげでこんなにも内容豊かなスピーチコンテストを聞きに行けたのですから。

    (及川 和子)

    図書の購入について

     日本語講座では、今年も日本語関連の図書の購入を予定しています。図書や教材で、読んでみたいもの使ってみたいものがありましたら、お知らせください。

    (吉波 信子)

    • あのねにほんご
      http://www.asahi-net.or.jp/~nj3n-bb/
       福岡で日本語を教えていらっしゃる方の個人のホームページです。個人のページらしく毎日の授業の様子をつづった「日本語日誌」、授業以外でかんじたことをつづった「日本語と文化」など、作者の息づかいが聞こえてくるようなサイトになっています。
    • みんなで考える日本語教育
      http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Kaigan/3484
       「重要文型や文法事項の例文募集」「日本語学習者との文通希望者募集」など、内容がきっちりしています。
    • 漫画で日本語を学ぶ
      http://www2.ak.cradle.titech.ac.jp/Rise/top.htm
       日本語学習者に人気のある漫画を、日本語・英語・ローマ字で紹介しています。

    (吉波 信子)

    ~新しい仲間の紹介~

    堂ケ口 直己  どうがぐち なおこ
     出身地: 石川県   :職 業: 学生
     担当クラス: 入門

     私が、日本語講座にボランティアで参加しようと思ったのは、以前から日本語教育に興味があったからです。また、大学で日本語教育について学んでいて、一度、日本語を教えるという経験をしてみたいと思っていたことも参加のきっかけです。
     日本語を教えるのはこれが初めてで、毎回緊張の連続ですが、学習者の方々がこの講座を受講して良かったと思うような授業をやっていきたいと思っています。

    田中 一美  たなか かずみ
     出身地: 牛久市   :職 業: 会社員
     担当クラス: 初級

     私が日本語教師に応募した理由は、外国の方とお話しをするのが好きだからです。一生懸命勉強している外国人を見ると「がんばれー」と応援したくなるのです。私がアメリカに滞在していた時、片言の英語でも一生懸命耳を傾けてくれた方々の様に自分もなりたいと思いました。日本語教師のプロではありませんが、生徒さんと一緒にがんばっていきたいと思います。

    米津 美由紀  よねつ みゆき
     出身地: 兵庫県   :職 業: なし
     担当クラス: 中級1

     NGOや、国際交流協会で日本語を教えるボランティアをしたのち、1995年から2年間青年海外協力隊に参加し、タイで日本語教師をしていました。茨城に来て、またその機会をこの財団で得ることができ、たいへん嬉しく思っています。
     講座では、楽しくわかりやすい内容で何でも発言できる場にしたいと思っています。そして美しい日本語を学んでもらえたらと思います。自分の考えや気持ちが言葉となって通じ合えるようになっていくのが、一番嬉しいことです。
     最後にタイから帰国して1年。タイ語の単語もあやしくなってきました。タイの方がいらっしゃったら、ぜひタイ語でお相手してください。

    掲載記事の募集について

     皆さんからのお知らせや日本語関連の情報など、たくさん掲載して参りたいと思いますので何かありましたらお知らせください。また、突然原稿の依頼をさせていただくことがあるかも知れませんがどうぞよろしくお願いします。

    (及川 和子・吉波 信子)

    日本語を教えてくれる人を探しています

     土浦市に住んでいる日系ブラジル人の男性から、日本語を学びたいが講座に参加出来ないので、日曜日に日本語を教えて下さる方を紹介してほしいという問い合わせがありました。もし可能な方がいらっしゃいましたら、財団吉波までご連絡ください。

    編集後記

     新年あけましておめでとうございます。今年はいよいよ20世紀最後の年です。なんだか、どきどきしちゃいますね。地球が滅亡するかも・・・など、昔の人の予言を気にしちゃったりして。シンパイナ~イ。がんばってまいりましょう。

    • 学生が作った教材リソース http://www.dokkyo.ac.jp/~jtokuron/nihongo1.htm
       埼玉県・草加市にある獨協大学では、外国語学部の日本語教員養成過程のゼミ生が作った教材リソースを、大学のホームページに掲載しています。
    • 使える素材が満載!パデュー大学
      http://www.sla.purdue.edu/fll/JapanProj
       アメリカのインディアナ州にあるパデュー大学の日本語プロジェクトには、日本語教育に便利なさまざまなフリーウェアが入っています。

    個人のサイト・国内編

    • Nakamura's日本語教育通信
      http://www2.big.or.jp/~hajime/nihongo/index.html
       「日本語教育クイズ」「日本語授業ノート」「日本語教師のためのwww 入門」など、初心者教師向けに、わかりやすい情報が入っています。情報の充実度はかなりのものです。
    • 街のことば屋さん
      http://www2.marinet.or.jp/~michiko/
       新潟の日本語教師が作っているサイトで、デザインなどがとても凝っています。毎週日曜日の10時からはチャットルームが開設されている模様です。
    • オムニバス形式の日本事情講義
      http://moon.f-edu.fukui-u.ac.jp/
       留学生を対象にした複数の教官によるオムニバス講義で、オムニバス講義は、学内の教官が留学生を対象に、自分の専門分野の話を1回ずつ講義するもので、留学生に任期がある授業の一つです。

    個人のサイト・海外編

    • Angin Selatan
      http://www.giocities.co.jp/HeartLand/5336
       インドネシアで日本語を教えている方のホームページです。政治的な混乱があったときのジャカルタの様子は、このホームページを通して詳細に知ることができました。インドネシアの日本語教育事情についても情報を掲載しています。
    • コリアンしんちゃんの日本語教育in Korea!
      http://wow.hongik.ac.kr/~morishin/
       韓国の世宗大学校などで日本語を教えている森山新先生のホームページです。ご自身の研究分野、授業計画、韓国に来るまでのいきさつといったことから、韓国の日本語教育事情、大学院留学事情、韓国の日本語関連の学会や研究会案内など、韓国に興味のある人にとっては貴重な情報が満載です。掲示板やペンパル募集など、読者参加のコーナーも充実しています。
    • チャナッカレ318日大学 日本語教育学科のホームページ
      http://members.xoom.com/japonca/
       個人のページではありませんが、珍しいトルコの日本語教育事情がよくわかります。日本語教育学科の設立について、日本語弁論大会や日本デーの様子に加え、教師は一人ひとり顔写真入りで紹介されています。なお、この日本語学科では定期的に「トルコ日本語教育ニュース」を発行しており、活発な活動をしています。
    • 正紀くんのチェンマイ便り
      http://www.chmai.loxinfo.co.th/ ~masaki/
       タイのチェンマイに住む5歳の少年(と、そのお父さん)が発進するホームページです。豊富な写真を通して、タイの文化や日常生活が、やさしいタッチで伝えられています。
    • 中上級の作文教育をインターネットで
      http://www.kyoto-art.ac.jp/ ~kicl/jps

     


    TIVONA通信第17号

    TIVONA通信第17号




    このごろの国際化<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >

     このごろ、日本の国際化の形が変わってきているような気がします。変わらなければいけないのかも知れません。
     かつて、昭和20年代は、戦後の復興時代、アメリカをはじめとする国々からの支援に支えられながら立ち上がっていった。30年代、新幹線の開通や東京オリンピック、外国人がたくさ ん来るようになった。欧米にcatch upすることに国民共通の目標があった。40年代後半、国際協力事業団(JICA)が発足し、本格的な国際協力の体制ができ、日本が積極的に海外に出ていった。その後は、量的にも質的にも国際交流・国際協力は大きくなる一方であった。この間、有識者や政府は「国際化」「国際化」といってきた。気が付いたらODA の総額がドルベースで世界第1位となっていた。国際化しようと躍起になっていたような気がする。私自信も、JICAの研修員の受け入れや海外で技術協力に短期、長期で出かけていったものである。
     このごろ少し変わってきたことは、長期在留外国人の中に、IBM やメリルリンチに代表されるような外国の大企業の人やブラジル、ペルーなどからの移住二世、三世の出稼ぎ労働者、賃金の高いところへ労働力が傾斜していくという経済法則に沿って日本に来ている東南アジアなどからの技能労働者達、そして、長期海外在住や農村の過疎から生まれた国際結婚の配偶者達が多く含まれていることです。そして、当然のごとく日本の学校に通う子供達や日本で誕生する子供達が増えてきている。
     これまで、国際協力は、国が上から、国際化しろ、などといって、訳も分からず、又は、義務感だけで取り組ませてきた。ところが、国際協力が緩やかな上昇カーブであればそれほど問題がなかったと思いますが、ウイルスやアミーバが爆発的に増えると大変なことになるのと同じように、市町村の一部では、増加する外国人への対応に苦慮している。その一つが、異文化理解などということのずっと手前の、意志の疎通が出来ないことに起因している。日本語教育者は増えているとはいうものの、決して十分とは言えない。西ドイツが3K職種のなり手がないことからトルコなどからの外国人労働者を受け入れ、その二世、三世の世代になり、さまざまな社会問題が顕在化している。日本も、これらのことから学ぶべきことがたくさんあるような気がする。
     近い将来、そう、私の娘達が働くようになって周りを見回すと、同僚の中に沢山の外国人がいることになるでしょう。私の娘の子供達の時代になると、管理職の中に優秀な外国人がいるようになるでしょう。それはきっと、世の中にとってよいことなのでしょう。

    (小須賀 洋)

    8回外国人による日本語スピーチコンテスト(報告)

    日 時 : 

    平成11130日(土)午後100~午後430

    場 所 : 

    茨城県民文化センター 小ホール (水戸市)

    主 催 : 

    ()茨城県国際交流協会

    発表者 : 

    15名(12ヵ国)
    女性11名、男性4名(滞在期間6か月から146か月)

    表 彰 : 

    茨城県知事賞(10万円相当商品券)、茨城県議会議長賞(5万円相当商品券)、茨城県教育長賞(2万円相当商品券)、特別賞12名(商品)、日本語ボランティア賞1名(商品)、若人賞1名(商品)

    審査員 : 

    7名(専門家は茨城大学の教授1名)
    特別審査として、日本語ボランティア賞を県内の日本語ボランティア団体の代表者30名により行った。また、若人賞の審査を、高校生104名により行った。

    手話通訳 : 

    茨城県立聴覚障害者福祉センターやすらぎの4名の方が行った。

    司 会 : 

    アメリカから茨城県国際交流員として滞日している方と日本語ボランティアグループの方が行った。


     私は、23年前に1度審査員として参加した経験があります。そのときと比較しながらの感想になります。

    事前説明

     午前1145分に集合し、茨城県国際交流協会から一連の説明がありました。開始の1時間以上前の集合は少し早い感じがいたします。多分、昼食との関係と思います。
     短時間に審査の手順やこれまでの経緯を、大変分かりやすく、適切に説明されていました。非常に要を得た説明で分かりやすかったです。

    昨年との変更点

    • 団体が増えたので各団体1名とした。
    • 発表者ら、義務教育期間中の人を排除した。(ネイティブに近い)
    • 発表者の数を15名とした。(審査の負担軽減。限界?)
    • 手話通訳の人を配置した。

     これらの措置は、いずれも適切と思えました。

    審査結果

     今年は、飛び抜けた人はいなかった気がいたします。国際交流という観点から123位の方を選出したのだと思います。公表で茨城大学の金子教授が短時間に幅広く解説されていました。大変的を得ていて、さすが専門家だな、と感じました。
     さて、日本語ボランティア賞ですが、残念ながら、小生の評価とは、大分かけ放れたものでした。受賞者は、先ず、あ、い、う、お・・・、の基本的な発音のかなりの部分が不正確(母国語の発声が抜けていない)。話し方が、アクセントや強弱、抑揚が不正確でした。助詞の使い方に間違いが多かった。ここまでは、日本語そのものの問題。次に、スピーチというプレゼンテーション技術。目線、身振り、スピーチの起承転結、特に結論としての強調、etc.どれをとっても最高とは思えなかった。こういった公募者を受賞者に選ぶというところに、現在のボランティア団体が実施している日本語講座の程度・内容を疑ってしまいます。私を含めて、まだまだ開発途上。
     願わくば、初めの説明の際に、日本語教育者として見た、日本語の正確さという観点で採点することを徹底する必要がある。
     後日採点結果が送られてきました。採点は、審査者一人1点で集計されます。結果については興味深く拝見いたしました。先ず第一に、このように結果を公表することは大変良いことと思います。
     受賞された張さんは、全体の3分の1ということで、これが多数か少数かは意見の分かれるところだと思います。その他の候補者を見ますと、12点という人が7人いました。これは、かなりバラツキが大きいと思います。なぜこのようにバラツクかといいますと、

    1. 選考の基準の幅が広すぎる(項目が多すぎる)ためと
    2. 審査する人の水準が異なるからだと考えられます。

     1. については、思い切って、「項目2 構成(趣旨は明確であるか・豊に表現しているか・説得力はあるか)」を選考基準から削除する。それについては、一般の7人(?)の審査員に委ねる。
     2. については、それぞれの日本語教室の水準を上げるようにするしか方法はありません。( 310日に予定されている会合(国際交流ネットワーク会議)はそのために活用できる。)

    その他

     手話通訳は、大変な仕事にも係わらず、とてもさわやかでした。来年は聾学校の方々にも聞きに来て、いや、見に来て頂きたいものです。
     成人式で、講演者の話を聞かなかったことが、TVや新聞に載っていましたが、審査に来た高校生は皆さん、一生懸命に聞いていました。国際協力の頼もしい卵達です。(通勤途中で会う高校生のだらしなさに、いつも辟易としていたのですが安心しました。)
     前回は、時間管理が悪く、随分と終了時間をオーバーしてしまいましたが、今回の時間管理は最高でした。これは、司会の川瀬さんによるところが大きいと思います。
     なお、TIVONAの会では、今回の「外国人による日本語スピーチコンテスト」の様子を収録したビデオを購入しましたので、ご覧になりたい方は、財団にありますのでどうぞおたずねください。

    (小須賀 洋)

    国際交流ネットワーク会議の報告

     平成11310日に茨城県国際交流ネットワーク会議が水戸の県民文化センター分館で開催されTIVONAの会から小須賀、丸山、米津、谷津が参加しました。
     茨城県国際交流協会理事長である古橋靖氏から「県内の国際交流のネットワークを充実させて、お互いの向上をはかる」という開催の趣旨説明がありました。
     午前中の全体会議は、移住労働者の支援活動や戦後補償問題、国際協力(海外NGO)で活躍している労働組合江戸川ユニオン副委員長でもある宇田川正宏氏の講演「移住労働者の現状と支援」で下記項目の話がありました。

    1. 外国人労働者の支援活動と江戸川ユニオン
    2. 生活(労働・医療・住宅・その他)問題と入管法にまつわる問題
    3. 結婚(出産)・教育・文化の問題(地域にともに暮らす「住民」の視点で)

     「なにしろガンバレ!茨城県」と励まされ、移住労働者の相談を受け支援する時、個人で付き合えるのは3人もしくは3家族が限度なのでグループをつくり支援する。
     その時の3原則は、

    • 窓口の一本化、
    • 実を取る(よってたかって皆で情報収集する)、
    • 後追いをしない、

    との事だそうです。
     移民労働者と連携する全国ネットワーク「全国フォーラム」が、65日、6日に開かれるそうです。
     午後の分科会討議の42部会、教材開拓では、4つの項目

    1. グループ紹介、
    2. 授業の流れに沿った教材の工夫、導入、基本ドリル、応用発展ドリル、各々についてのアイデア交換、
    3. 指導者レベルアップのための工夫、
    4. 今後のネットワーク会議に望むこと、

    を議題に話しあわれました。参加グループの使用しているメインテキストを紹介して、問題点などを出し合いました。各々のグループで、日本語に対する経験、目的、環境等が生徒によって異なる為、ピッタリと合う教科書を探すのは難しいという感想が述べられ、テキストを軸として他の教材を組み込みながら授業をするというグループが大部分でした。教師が知識を広めてゆくため、お互いの交流を深めていく必要性が話し合われました。
     43部会、教室の運営(指導方法)では、5つの柱、

    1. クラス別授業の設定方法、
    2. 新入生の組み入れ方、
    3. 漢字の扱い方、
    4. 教師の勉強会、
    5. ネットワークに望むこと、

    を議題に話し合いが持たれました。
     1. 、2. 、3. については、需要に応じ、入門、初級12、中級12、漢字、読解、の中の組み合わせで行われているところが大部分で、マンツーマン方式が2例ありました。生徒の分け方は面接によるレベル確認と希望を基にし、決定後も、移動可というのが一般的でした。また、スタート後も随時受け入れる所が多かった。問題点として、グループ勉強ではレベル差の他、異教徒、異階級の同席を好まない場合の対処があったが、平等を原則とする主催者側の方針を明確にして、去る者は追わずでゆくしかないとの方向でした。マンツーマン方式では教師不足となれあいになりがちという短所が指摘されていました。教師不足の対応について水戸の教師養成講座を実施し、25人中の10人が定着した例が紹介されました。
     4. については、授業終了後、1時間の反省会を持ち問題点を話し合うという例が記憶に残こりました。
     5. について最新の県内日本語教室マップを作る、教材の紹介、講師の派遣、日本文化の交流などが提案されました。

    (丸山 節子・谷津 葆子)

    戸田貴子先生講演会の報告

     313日(土)の午後130分から1時間半にわたり、日本語ボランティアのための講演会がカピオにて開催されまた。今回の講師は前回に引き続いて、筑波大学留学生センターの戸田貴子先生にお願いし、「日本語音声教育の実戦」という演題で行われました。会場にはTIVONAの会のメンバーだけでなく一般の方々の参加が半数以上あり、計30名程の参加者が熱心に受講しました。
     講演の内容は実戦的なもので、音声のしくみや日本語の音の基礎的知識に加え、日本人が耳で聞いておかしいと感じる日本語学習者の発音を、どう指導すればよいか、どのような練習が効果的か、などの発音の練習の仕方をたいへんわかりやすく説明され、即授業に生かせるものでした。
     例えば中国語話者に多い「た」と「だ」のような無声音、有声音の区別ができない場合の練習として、「だいがく」のように語頭では言えないが、「あーだー」と語中で言う練習をして、「あーだー」「あーだいがく」と続けると、語頭でも言いやすくなるという方法が紹介されました。
     発音はそれぞれの母国語によって母語の干渉が異なり指導は難しいものですが、教える側が音声のしくみをきっちりと理解し、効果的な練習方法を把握しておくことが欠かせないということを再認識させられました。また学習者はレベルが上がるにつれ発音を直されるのをいやがるものだし、教える方も文法的に上のレベルになると、発音の修正・訂正をおろそかにしがちです。最初のうち、入門時の指導が大切だと思いました。
     戸田先生の講演はたいへんわかりやすく勉強になるものでした。このような講演会にぜひ、また参加したいと思います。今回参加できなかった方々も、次回は、このような機会に参加されてはいかがでしょうか。

    (米津 美由紀)

    学習会の報告

     講演会に引き続いての学習会では、会長の小須賀さんが「日本語教育者のための教養スペイン語」のお話をして下さいました。
     スペイン語の特徴が、文法的なことから、文型、発音、ゼスチャーに至るまで、20項の短い文に興味深くまとめられ、臆病な怠け者もつい引き込まれてしまった楽しいお話でした。日本語を学ぶ外国人にとって、学習者の母語の影響がよく問題になります。スペイン語には、ザ、ジ、ズ、ゼ、ゾの音がなく、ゾがドやソになってしまうといったちょっとした知識を持つことでも指導上の工夫に役立つし、学習者の理解しにくい部分を推測し、教師の主観だけでの指導に陥ることが避けられるのではないでしょうか。学習者の身になって話したり、聞いたりすることが出来るようになるのではないでしょうか。
     講演会は定員オーバーの盛況でしたが残念ながら会員の方が少なかった様でした。御出席になれなかった方にも小須賀さんの御労作を是非読んで欲しいと思います。財団に資料がありますので、ご覧になりたいかたは、おたずねください。

    (丸山 節子)

    編集後記

     久し振りに日本語教室の方、お休みを頂き、すっかり気がゆるんでいます。深夜の激しい風の音に目を覚まされ、美しく咲きそろった桜の花が散ってしまうのではないかと心配しつつ、又、トロトロと眠りに落ちてしまいました。春の霞の中に見も心もトロンと浸ってしまっているようです。

    (及)

    • 学生が作った教材リソース http://www.dokkyo.ac.jp/~jtokuron/nihongo1.htm
       埼玉県・草加市にある獨協大学では、外国語学部の日本語教員養成過程のゼミ生が作った教材リソースを、大学のホームページに掲載しています。
    • 使える素材が満載!パデュー大学
      http://www.sla.purdue.edu/fll/JapanProj
       アメリカのインディアナ州にあるパデュー大学の日本語プロジェクトには、日本語教育に便利なさまざまなフリーウェアが入っています。

    個人のサイト・国内編

    • Nakamura's日本語教育通信
      http://www2.big.or.jp/~hajime/nihongo/index.html
       「日本語教育クイズ」「日本語授業ノート」「日本語教師のためのwww 入門」など、初心者教師向けに、わかりやすい情報が入っています。情報の充実度はかなりのものです。
    • 街のことば屋さん
      http://www2.marinet.or.jp/~michiko/
       新潟の日本語教師が作っているサイトで、デザインなどがとても凝っています。毎週日曜日の10時からはチャットルームが開設されている模様です。
    • オムニバス形式の日本事情講義
      http://moon.f-edu.fukui-u.ac.jp/
       留学生を対象にした複数の教官によるオムニバス講義で、オムニバス講義は、学内の教官が留学生を対象に、自分の専門分野の話を1回ずつ講義するもので、留学生に任期がある授業の一つです。

    個人のサイト・海外編

    • Angin Selatan
      http://www.giocities.co.jp/HeartLand/5336
       インドネシアで日本語を教えている方のホームページです。政治的な混乱があったときのジャカルタの様子は、このホームページを通して詳細に知ることができました。インドネシアの日本語教育事情についても情報を掲載しています。
    • コリアンしんちゃんの日本語教育in Korea!
      http://wow.hongik.ac.kr/~morishin/
       韓国の世宗大学校などで日本語を教えている森山新先生のホームページです。ご自身の研究分野、授業計画、韓国に来るまでのいきさつといったことから、韓国の日本語教育事情、大学院留学事情、韓国の日本語関連の学会や研究会案内など、韓国に興味のある人にとっては貴重な情報が満載です。掲示板やペンパル募集など、読者参加のコーナーも充実しています。
    • チャナッカレ318日大学 日本語教育学科のホームページ
      http://members.xoom.com/japonca/
       個人のページではありませんが、珍しいトルコの日本語教育事情がよくわかります。日本語教育学科の設立について、日本語弁論大会や日本デーの様子に加え、教師は一人ひとり顔写真入りで紹介されています。なお、この日本語学科では定期的に「トルコ日本語教育ニュース」を発行しており、活発な活動をしています。
    • 正紀くんのチェンマイ便り
      http://www.chmai.loxinfo.co.th/ ~masaki/
       タイのチェンマイに住む5歳の少年(と、そのお父さん)が発進するホームページです。豊富な写真を通して、タイの文化や日常生活が、やさしいタッチで伝えられています。
    • 中上級の作文教育をインターネットで
      http://www.kyoto-art.ac.jp/ ~kicl/jps

     


    TIVONA通信第18号

    TIVONA通信第18号




    日本語が解らない+再び、国際化<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >

     会員の皆様の中で、若い女子学生の会話の内容や最近の歌の歌詞が理解できないと感じている人はいないでしょうか?実は、私もトント分からなくなっているのです。本人は、「最近少し耳が遠くなってきたのかな」、「言葉も生きているから、だんだんと変わっていくよな。」とか「漢文や古典があるのだから『親典』と考えればいいのだ」等と一人よがりしている、今日この頃です。しかし、最近の言葉が分からないような人は、もうオジンとかオバンとかに分類されてしまうようです。解決策は?ない。

     話が変わって、再び「国際化」について。我が国の政府開発援助(ODA)は、ここ数年ドルベースで世界一位を保っています。素晴らしいことには違いがないと思います。では、我が国は、外国人にとって住みよい国でしょうか?「そんなこと、明治時代のお雇い外国人ではないし、勝手に来ているのだから関係ないじゃん!」とおっしゃるお方も多いかも知れない。ODAは、海外へ向けての技術協力や国際交流事業に費やされている経費であります。勿論、研修員や研究者の受け入れ費用や調査団の渡航経費、機材の調達などにも充てられています。そのため、結構国内で消化されています。しかし、国内の国際化は進んでいません。本論に戻ります。国内での国際協力事業は、地方公共団体、つまり、県や市町村に大きく依存しています。当然、市町村間には、温度差があります。外国人が多く住んでいる街とほとんど接点のない街とでは当然違ってきます。首長の考え方にもよるでしょう。姉妹都市化などをして国際交流を図っている地方公共団体は立派と思います。私達つくばに住んでいる人間にとっては、道路標識やパスセンターの案内も英語表示がかなりあり、外国人にとっても、そこそこ住み良い環境が用意されているような気がします。全国ネットの航空会社やJRはどうでしょうか?大きなJR駅では、券売機の上に駅名と料金が英語で表示されています。ところが、これが滅法小さい字で読めない。国内線の空港はというと、これも意外と英語表示がされていない。成田や福岡空港は例外。鉄道やバス車両に付いている行き先表示には全くなしといえる。残念!

     国際化は、英語で話す人が多いとか、英語の表示が多いとかいったことではありません。女性をジロジロ見ると、これは「セクハラ」といわれます。同様に、外国人をジロジロ見ると、「外国人ハラ」とは言わずに、私は「国際化されていない。」と言います。東洋人を見ると、先ず、中国人か?と思うのも同じ狭い了見。いわんや、「不法滞在ではなかろうか」等と考えるのは、もう、「何時から、警察の委嘱を受けたのだ!」と言いたくなってしまいます。それぞれの国の文化や歴史や伝統を理解することから国際化は始まるのではないでしょうか。

     さて、私たちの日本語講座。ありがたいことに、非常に多様な受講生に恵まれています。そうそう、会員も、負けないくらい色々な経歴の持ち主に恵まれています。多様×多様×ボランティア=無限の可能性。このように考えると、明日が明るくなります。

    (小須賀 洋)

     

     

    つくばフェスティバル国際交流フェアへの参加

     5月8日(土)今年もヨーヨーの店を開きました。何年か続けている店ですが、今年は例年のエキスポセンター前でなく、センタービルのペデストリアン広場に場所が移りました。一回100円、三個までということで、朝10時30分開店。早々から小さなお客様は絶えることなく、ヨーヨー作りが追いつかないほどでした。場所が良かったこと、染谷さんのたくさんのお友達が呼び込みをして下さったことなどが功を奏してか予定より早く材料が無くなってしまい、3時にはお隣のロシア民芸品店の人達に羨ましがられながら閉店しました。

     売上約30,000円。参加者 藤岡、谷津、小林、松井、川辺、及川、林の各氏に染谷さんとその応援団(数名)。お昼はエスニック料理を買ってみんなでいただきました。こより作りやヨーヨー作りで指が痛くなった方、長くしゃがんで脚が疲れた方、お疲れ様でした。お天気に恵まれ、人手も多く、賑やかな1日でした。ただ折角のイベントに生徒の参加者がなかったこと、会員の顔ぶれもいつもだいたい同じになってしまっていることなど、次回へむけての反省点もありました。より多くの方が参加するにはどうしたらよいか、特に参加できなかった方のご提案をお待ちしています。

    (丸山 節子)

     

    教材調査のお知らせ

     平成11年8月21日(土)に教材調査のため、東京都千代田区の凡人社を訪ねることになりました。日頃、日本語指導でこんな教材があったらとか、いろんな図書や教材を見てみたい方、どうぞお気軽にご参加ください。財団では、参加した皆さんの協力で、図書の購入を予定しています。参加できる方は、財団までお電話(0298-56-7007)またはEメール(class@inter.or.jp)にてご連絡ください。

                (吉波 信子)

     

    平成11年度「文化庁日本語教育大会」のお知らせ

     毎年恒例となっている文化庁主催の日本語教育大会が、東京都世田谷区の昭和女子大学で、7月29日(木)に地域日本語教育セミナーと日本語教育研究協議会、30日(金)に「これからの日本語教育を考える」シンポジウムが開催されます。

      地域日本語教育セミナー

    平成11年7月29日(木) 10:00~12:30

    昭和女子大学(グリーンホール)

    テーマ「地域社会における日本語学習支援の在り方」

    司会:鎌田 徹(文化庁文化部国語課長)

    パネリスト:加藤清方(東京学芸大学教授)、柳澤好昭(国立国語研究所日本語教育センター)、高木裕子(山形大学助教授)、小林悦夫(中国帰国者定着促進センター)

      日本語教育研究協議会

    平成11年7月29日(木) 13:00~17:30

    昭和女子大学(グリーンホール及び研究館)

    テーマ「日本語教育の課題と今後の方向」

    分科会の内容:第1分科会「日本語教員養成の在り方について」、第2分科会「日本語能力評価の在り方について」、第3分科会「多様なニーズに応じた教育内容・方法、教材開発・利用について」、第4分科会「新しい情報メディアを活用した日本語教育について」、第5分科会「コミュニケーション言語としての日本語教育について」、第6分科会「海外における日本語学習支援について」

      各分科会についての詳しい内容については財団にお問い合わせください。

      「これからの日本語教育を考える」シンポジウム

    平成11年7月30日(金)

    テーマ「日本語の国際化について考える」

    コーディネーター:水谷 修(日本語教育学会会長)

    パネリスト:井出祥子(日本女子大学教授)、小塩 節(フェリス女学院学院長)、鳥飼玖美子(立教大学教授)、平野健一郎(早稲田大学教授)

     財団では、セミナー、協議会、シンポジウムへの参加者を募集しています。協議会への参加人数は2名までとなっており、事前に申し込みが必要となっています。地域日本語教育セミナー及びシンポジウムへの参加については、事前の申し込みなどは必要ありませんが、財団では、それぞれ2名ずつ参加を希望される方の交通費を負担いたします。参加してみたい方は、どうぞ財団までお電話(0298-56-7007)またはEメール(class@inter.or.jp)にてご連絡ください。

    (吉波 信子)

     

    蔵書紹介~新規購入図書から~

      日本語の現在

    陣内正敬 著  株式会社アルク  定価880円

    「花に水をあげる」「ピーマンが食べれる」「歌わさせていただきます」「一つ千円になります」…。こんな最近の日本語を、あなたはどう思いますか。ら抜き言葉やアクセントの平板化はもちろん、方言や外来語、名前や文字の流行まで、さまざまな日本語の、現在と未来を考えます。

      よくわかる音声

    松崎寛 河野俊之 著  株式会社アルク  定価2,800円

    音声学を勉強する際、教科書だけを懸命に読んで、音声記号の形や、調音点・調音法の名称の暗記に全精力を傾け、難しさのあまり投げ出してしまう人がいます。このテキストは、音声学ははじめてという人でも、段階を追って「易→難」へと学習が進められるように構成されています。

      よくわかる教授法

    小林ミナ 著  株式会社アルク  定価2,000円

    「日本語を教える」という行為は、「何を教えるか」と「どうやって教えるか」という二つの側面に分けて考えることができます。このうち本書では、特に後者について、その全体像と個々の内容が分かりやすく記述されています。

      <日本語>作文とスピーチのレッスン

    鵜沢梢 著  株式会社アルク  定価1,800円

    本書は、日本語の副教材として、初級から中級レベルの日本語学習者の作文とスピーチの力を伸ばすために書かれたものです。従来の作文練習と違い、ただ与えられた題について何かを書いて先生に読んでもらうというだけではなく、クラスメートに理解してもらえるように口頭発表するというのが主目的になっています。

      知ってなっとく日本語鑑定団

    金田弘 鈴木丹士郎 著  株式会社小学館  定価1,100円

    語源に限らず、「川」と「河」、「中身」と「中味」などの同意の漢字の使い分け、「個人ぐるみ」などの誤用など、日本語で問題となっている言葉を取り上げ、より理解がいきとどくようにQ&A方式で解説されています。

     

     

    編集後期

     国際交流フェアが終わってホッとした気分もつかの間、夏には日本語関連の行事がたくさん予定されています。今回紹介できませんでしたが、バス旅行や講演会も企画中です。随時お知らせしてまいりますので、どうぞお楽しみにしていてください。(よ)


    TIVONA通信第19号

    TIVONA通信第19号




    中米で気になったこと2点<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >

     私は、8月のほとんどを中米ニカラグアで過ごしました。この国の感想については、いつか、ほかの機会にお話ししたいと思っています。今日の報告(ただの感想?)は、2点。日本語を学ぶ契機と音声。

     第1点目は、日本語を学ぶ契機となったことは何か。現在、ここニカラグアでは、公式には、日本語学習者15名に1名の指導者が居るだけです(鯨井さんの記事を参考にして下さい。)。学習者はどのような層に分布しているかは分かりませんが、きっと、若い人が多いのでしょう。アジアの地域に比べると、なんと少ないことでしょう。もっと以前は、3名の学習者しか居なくなったこともあったそうです。講座をつぶす話もあったそうです。なぜそのように少ないかというと、日本との関係が薄いからでしょう。日本語を学んでも、その便益に浴することがないのでしょう。必要性がないのかも知れません。自分が英語やスペイン語を学ぶ契機となったものは、やはり、必要だったからです。もっと以前、太平洋戦争が終わった頃。駐留米軍が日本に沢山いた頃。英語が少しでも出来ることにより、その日の糧を得ることが出来た。そんな人も居たであろう。新しい国を造り直すために、欧米に学ばなければならないと考えた人も居たでしょう。ニカラグアで、日本から学ぶ、又は日本語で職を得られる社会が育っていってくれればよいと思っています。ここは、まだまだ、貧富の差が大きく、低階層の人々がその日の生活に追われている。日本が出来ることは、たくさんある。

     スペイン語(中南米のほとんどの国がスペイン語を公用語としている。)を話しているときと英語を話すときでは、自分でもびっくりしてしまうほど、音声が違っていることです。前者は、母音が付いているので、はっきりと、また、単語と単語の間のリエゾンも少なく、低い声であるのに比べ、後者は、なんと鼻にかかった、ねばねばした発音ではないですか。しかも、トーンがやけに高くなっている。勿論、私だけではなく、今回ずっとつきあってくれた、Sr.Agurciaも全く同じことが言えた。戸田先生の講演会でも、随分と音声のことを話されていたように記憶している。その国の言語は、それぞれ、発生方法が違っている。インドシナ半島のラオ語やベトナム語、タイ語などは、違う言語であるにもかかわらず、同じような音に聞こえる。韓国語とモンゴル語が、私には、同じように感じられた。インドやスリランカ、バングラデッシュの英語と、英国や米国の英語の音(発声?)は随分と違っているような気がする。

     こんなことが、今夏の旅行で感じられた。「この忙しい時期に、1ヶ月も留守にして、これ位のことしか感じられなかったのか。」とお叱りを受けてしまいそうですので、弁解しておきますが、仕事は十分に達成できました。ニカラグアは、とっても熱く、仕事もハードでしたが、その分、楽しい思い出を沢山与えてくれました。またいつか行ってみたいと思っています。

    (小須賀 洋)

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    「日本語ボランティアのための講演会」のお知らせ

     日本語ボランティアのための講演会を、来る10月30日(土)につくばインフォメーションセンターにて開催します。今回は、新宿日本語学校校長の江副隆秀先生にご講演いただくことになりました。

     また、講演会終了後、学習会を行います。第15期日本語講座で中級1クラスの講師をされているイーチョンヨンさんに、「韓国人に日本語を教える人のためのワンポイント講座」をテーマにお話しいただくことになりました。講演会、学習会への参加を希望される方は、お電話にてお申し込みください。みなさまのご参加をお待ちしております。

    ~講演会~

          講師: 新宿日本語学校 校長 江副隆秀 先生

          講演テーマ: 「重箱文法教授法」

     日時: 平成11年10月30日(土) 午後1時30分から午後3時まで

          場所: つくばインフォメーションセンター 会議室

          主催者: (財)つくば都市振興財団、TIVONAの会

          参加費: 無料

    ~学習会~

          講師: イー チョンヨンさん(TIVONAの会)

          講演テーマ: 「韓国人に日本語を教える人のためのワンポイント講座」

          日時: 平成11年10月30日(土) 午後3時30分から午後4時30分まで

          場所: つくばインフォメーションセンター 会議室

          主催者: (財)つくば都市振興財団、TIVONAの会

          参加費: 無料

    ※お申し込みとお問い合わせ: (財)つくば都市振興財団 吉波・大木・宮本(TEL 56-7007)

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    教材調査の報告

     8月21日(土)猛暑のさなか、中井さん、丸山さん、谷津さん、大木さん、宮本さん、吉波の6名で、東京都千代田区の凡人社を訪問しました。教科書、参考書、絵カードなどを中心に購入しました。図書は、財団にありますので、どうぞご利用ください。            (吉波 信子)

    タイトル

    著者・出版社など

    話してみよう日本語で

     

    ぶんカード 1集・2集

    くもん出版

    反対ことばカード

    くもん出版

    実践国語研究

     

    かなマスターひらがな・カタカナ練習帳

    専門教育出版

    にほんご(あいうえお)

     

    1日15分の漢字練習(上)

     

    日本語の教え方の秘訣 上下

    有馬俊子著・スリーエーネットワーク

    続 日本語の教え方の秘訣 上下

    外国人のためのお弁当

     

    楽しく話そう

    文化外国語専門学校・凡人社

    ジャパニーズ・フォー・エブリワン

    学習研究社

    ジャパニーズ・フォー・エブリワン 教師用指導書

    学習研究社

    日本語教材・アクティビティ集

    講談社インターナショナル

    ~文化庁日本語教育大会から~

    第3分科会「多様なニーズに応じた教育内容・方法、教材開発・利用について」

     7月29日昭和女子大学で開催された協議会第3分科会には全国各地の日本語関係研究者、教師、ボランティア、出版社などが参加し、200名近く入る会場も満席のありさまでした。多様なニーズについては、学習者の母語の多様、学習分野の多様、学習方法の多様、日本人とのかかわり方の多様、その他いろいろあって、それぞれのニーズにきめ細かく対応すればするほどその教材は他の場所では用いることができなくなるということになるので、教材の素材になるものを充実して、ニーズに応じてそれを手直しするのが望ましいのではないかということでした。日本語ボランティアの80%は日本語専門家ではなく、そういった人たちの使える教材がすくないとの指摘がありました。またインターネットで仲間を募り30名ほどで教科書作りをして近々本を出すグループや、インターネットで日本文化を知り教材としている人など新しいメディアとの関わり方も話題としてでました。

     国研研修室、国際文化フォーラムその他いろいろな所がホームページを開いているそうですので関心のある方はアクセスしてみたらいかがでしょう。

    (松井 友子)

     

    「これからの日本語教育を考える」シンポジウムに参加して

     先のTIVONA通信で案内がありました平成11年度文化庁日本語教育大会の二日目に参加。当日は「日本語の国際化について考える」をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターは日本語教育学会会長の水谷修氏、パネラーには井手祥子(日本女子大学教授)、小塩節(フェリス女学院学院長)、鳥飼玖美子(立教大学教授)、平野健一郎(早稲田大学教授)の各氏。

     言語は文化の上に成り立っていて、文化的背景を無視しては考えられない。それでは多くを話さぬことを美徳とし、一つの言葉の裏を察し、関連する状況を推測、判断して行動する日本人の持つ文化、そこにある日本語をどのようにして国際化できるか。

     戦後、複雑な敬語をなくそうとする試みが内外からなされたが実らなかった。それは敬語が社会的習慣の中で身につき、話している人の品格を表すもので、社会的構造と切っても切れない関係にあるから容易になくせない(井手)。欧米では、一から十まですべてを話すことを原則としてコミュニケーションが図られていて日本流は誤解のもとになる(鳥飼)。最近では、核家族化、少子化等で人間関係が希薄になり、話す機会が少なくなっている。その上、めし、ふろ、ねるに代表される単語しか発しない家庭で育つ子供は良い言葉を学ぶ場を失い、以前とは違った意味で言葉を発しなくなって国際化云々以前の嘆かわしい現状にある(小塩)。交通、通信手段の発達によって国の領域を越えて人を単位にする社会が生まれつつあり、外国人が日本語を習得して日本の文化を通して世界の情報を取り入れたりするようになった(平野)。こうした流れの中でコミュニケーションの手段として日本語を生かすには出来るだけ多く言葉を発する文化に近付く努力をする。また日本のいわゆる察しの文化も他を思いやると言う点で必ずしも悪いだけのものではなく、朝夕に愛を言葉にしなければならない国々へも輸出するくらいの気持ちで伝えていってはどうかとの愉快なご意見まで出ました。

     外国語を学ぶ場合、大使館で働く、ホテルで、コンビニで働くなど、目的がはっきりしていると、それにふさわしい言葉があるし学び易くなるが、一般的な場合となるとその背景は広く、短期間に教えることも学ぶことも難しくなる。例えば敬語の使い方やそれに関連した動作等で、教え過ぎて複雑にしていることはないかという疑問もある。しかし、コミュニケーションにおいては話し手にも聞き手にもなるので、学んだ知識を文化的背景として使うか、使わないで忘れてしまうかは学ぶ側の選択にまかせても、知らせておくことは大切なことではないか。時々爆笑もおこる楽しいお話しの中に多くの刺激がありました。

    (丸山 節子)

    TIVONAの会の皆様へ

     わたしは、中米のニカラグアという国で、日本語を教えている鯨井理恵と申します。配属先は首都マナグアの、中米大学外国語センターというところで、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語とともに、大学生に限らず、一般人対象に、日本語コースを、開講しています。

     このようなことをいうと、必ずといっていいほどきかれるのは、「ニカラグアに、日本語を勉強していって人が、いるの?」ということです。ちなみに、ニカラグアに日本食レストランはありません。日系企業も数えるほどです。日本語を、学ぶ必要性について、日本国内やアジアのように、明確にいうことは、難しいでしょう。でも、みんなの問いにわたしは、「はい。」と答えて、更に「みんな、熱心に勉強してるよ。」と、付け加えます。

     現在、初級1、8、10の3クラスを月曜~土曜日まで教えていて、生徒は総計14名です。学習者の年齢は10代~50代、学習目的も、日本文化に関心がある(こちらのテレビでも人気の日本のアニメがきっかけという若い学習者も多い)、日本に住んでいたことがある、家族が日本に留学している、JICAの研修員として、日本へ派遣される予定…などさまざまです。

     ニカラグアに来る前、日本の語学学校やボランティアで、日本語を教えていました。そのころ、わたしは、学習者の生活で、いかに役立つ日本語を教えるかということを、いつも考えていました。彼らは、必要だから頑張って学ぶのであり、私も、外国へいったらそうなるんだろうなぁ…とぼんやりと思っていました。そして、日本語を生活上必要とせず、更に授業時間以外触れることもない学習者に教えることになって、私なりに彼らの求めるものを考えました。そして、あまりたかいレベルを求めず、日本文化を紹介しながら、楽しく勉強できるのがいいだろうと思いました。

     でも、最近それだけでもないんだなと考えさせられました。ついこのあいだのこと、停電で、授業を中断せざるをえないことがありました。「きょうは終わりにしましょう。」と、いわれるかな…と、思っていると、暗闇のなか、ふだんなかなかする機会のない、個人的な話、日本の女性のはなしなどを聞きたがり、知っている言葉を総動員して、わたしに尋ねてきました。そして、日本語クラスの週あたりの回数が少なくなった(受持ちクラス数が増えたため)ことに関して、「先生、私たちは毎日日本語を勉強したいです。」会話クラスになると、いきいきする学生達に、「このコースが終わったら、会話クラスを、つくりましょうか。」と言うと、「それから、漢字もたくさん勉強したいです。」と答える生徒と深く頷くクラスメイト。

     毎日の仕事帰りに通ってくるので、学習期間は延びるものの、クラスが隔日になって喜んでいるだろう、漢字は覚えるのもたいへんだから、そんなにたくさん覚えたくないだろう…という予想を、見事に裏切ってくれ、目からうろこが落ちました。もちろん、日本文化に興味もあるし、楽しい授業にこしたことはないのでしょうが、日常生活に直接響く「言葉」という道具でなくても、興味をもって始めた日本語で、自分のことを表現したり、読むこと、書くことを含めレベルアップしたいという気持ちは同じなんだなということにあらためて気づき、そして、こういう学習者に日本語を教えられることをしあわせに感じます。

     まだまだ、経験不足もあって、毎日の授業準備に追われる日々ですが、日本語の本・辞書が一切売っていない国で、意欲的に学習に取り組む生徒達のためにも、より効果的な授業の実施、ニカラグア学習者にあった教材づくり、そして、私自身の語学力の向上(!)に努力していきたいと思います。

    (ニカラグア国派遣青年海外協力隊員 鯨井 理恵)

    (配属先:中米大学外国語センター)

    編集後記

    やっと涼しい秋になりましたね。今月30日には、講演会と学習会が予定されています。お友達と参加してみてはいかがでしょう。また、105日から第15期日本語講座がスタートしました。次号では、クラスの様子をお伝えしたいと思います。お楽しみに。(お)(よ)

     


    TIVONA通信第20号

    TIVONA通信第20号




    言葉はツールと言うけれど<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >

     

     昨年の暮れ、友人がアゼルバイジャンという国へ行くことになり、お手伝いで調べている内に、有らぬ方向に行ってしまった。アゼルバイジャンについて書かれている本というのが極めて少なく、結果的に「トルコ民族主義×××」「オスマントルコ△△△」はたまた「インドの○○○」といった本を読んでしまいました。アゼルバイジャンからどんどん遠くの方面に行ってしまった訳です。しかし、ここでいくつかの示唆を得ました。

     トルコ人は、もともとモンゴル高原に住んでいて、西へ西へと移動して今のアナトリアの地に住んでいる。その間、周辺の国と争ったり融和したりしながら、今の文化を醸成していった。トルコ人が偉いところは、異文化(宗教や言葉)を寛容したことだそうです。宗教や言葉の違いを無理に統一しようとしなかったことにより、大きな国を維持できたのかも知れません。これは、インドにも言えることかも知れません。確かにヒンズー教が主体ではありますが、わずか83%でしか有りません。その他の宗教が5+α、ヒンズー語は42%、その他の言語は11以上も有るそうです。ただ、トルコでもインドでも言葉は、類似のものがあったそうです。

     物の名称やその概念が他の地域(言葉も習慣も違う)から伝播してきたときは、多少発音は違うものの、似たような単語となる。スペイン語でジャガイモをpapa patataと言いますが、英語ではpotatoとなります。これに類した単語は山ほど有ると思います。今日のように情報の流通が迅速・広範になってくると、新しい技術や概念に関する単語は世界中で同じ単語を使うようになっています。例えば、computerinternetはほとんど万国共通です。外国のニュースを字幕付きで見ていますと、知らない国の言葉であっても、似たような音が耳に入ってきます。

     さて、私たちの多くは、英語を学問(英文学や英語学)として勉強していません。しかし、コミュニケーションの手段として多くの人が英語で異国人同士で話しています。私は、もっと正確に相手に伝えたいと思うことが度々あります。多分、多くの人は同じ経験をお持ちだと思います。つまり、あまり正確に知っているわけではないけれど意志の交換程度には困らない。今、日本に滞在している外国人の多くの人々も同じように感じているかも知れません。私たちは、その困っている人々と向き合っているのです。ですから、正しい日本語を教えるようにしましょう。単に、意志が伝わればよいと言う程度でない日本語を! 特に、これから先、永く日本に滞在する人々に対しては! 与えることはまた与えられることだと思います。

     かつて戦争は、帝国主義のように相手国を征服して自分たちの都合の良い国にする又は同化する目的が有ったような気がします。最近は、戦争ではなく、紛争が各地に起きています。難民の数も増えています。そして、その質が、外国からの侵略や為政者の圧政から逃れていくのではなく。難民の増加が人種や宗教上の紛争に起因していることは残念なことです。こんな時、せめて、言葉ぐらいはお互いの意志が正確に伝わる共通のツールであって欲しいと思うのは私だけでしょうか。

    (小須賀 洋)

    第9回外国人による日本語スピーチコンテスト開催のお知らせ

     毎年恒例となっている、茨城県国際交流協会主催の日本語スピーチコンテストが、今年はつくば国際会議場で開催されます。県内で生活する外国人が日頃考えていることや、日本・茨城の印象、母国の話など自由なテーマで発表します。ぜひ、この機会に外国人の体験や本音に触れてみてはいかがでしょう。

    日 時  平成12年1月29日(土) 午後1時から午後4時30分まで

    場 所  つくば国際会議場 大ホール つくば市竹園2-20-3

    発表者  15名

     

     

    大好き いばらき 国際交流の集い 参加者募集

    ~第二のふるさと・茨城「ここが好き!ここがヘン!」~

     大好き いばらき 県民会議と(財)茨城県国際交流協会では、来る平成12年2月13日(日)に、茨城県民と外国の方々が共に生きる社会の実現に向けて、外国の方々にとって茨城は第二のふるさととなりうるか、外国人にとって住みやすい茨城とは…?を一緒に考えるため~第二のふるさと・茨城「ここが好き!ここがヘン!」~と題する“大好き いばらき 国際交流の集い”を開催します。

    日 時  平成12年2月13日(日) 午前10:00から午後3:00まで

    会 場  常陽藝文センター 水戸市三の丸1-5-18

    主 催  大好き いばらき 県民会議

        (財)茨城県国際交流協会

    内 容  ○在県外国人によるパネルトーク

    ○交流会

    ○茨城県民1分間トーク

    参加費  無料

    募集人数 300名程度

    募集期間 平成12年1月13日(月)まで

    申込方法 参加をご希望の方は、財団までお電話(℡0298-56-7007)にてお申し込みください。

     

     

    第5回「外国人による日本語スピーチコンテスト」参加者募集のお知らせ

     明野町国際交流をすすめる会が主催する、第5回「外国人による日本語スピーチコンテスト」が開催されます。同会では、このコンテストへの外国人の参加者を募集しています。学習者でスピーチコンテストへの興味がある方がいましたらご案内ください。

    日 時  平成12年3月5日(日) 午後1時~4時

    場 所  イル・ブリランテ(明野町中央公民館ホール)

    応募方法 申込書(財団にあります)を2月15日までに「スピーチ要旨」日本語200字程度とあ

    わせて郵送してください。(原則として未発表のもの)

    ※応募多数の場合は、「スピーチ要旨」により事務局で選考されます

    お問い合わせ及びお申し込み先 

    300-4517 真壁郡明野町海老ヶ島884-1

         明野町国際交流をすすめる会  仁平 正巳

         ℡0296-52-1390

    日本語ボランティアのための講演会・学習会の報告

     日本語ボランティアのための講演会を、昨年10月30日(土)午後1時30分からつくばインフォメーションセンターにて行いました。今回の講演会では、新宿日本語学校校長の江副隆秀先生に「重箱文法教授法」をテーマにご講演いただきました。また、講演会終了後、第15期日本語講座中級1クラスの講師をされているイーチョンヨンさんに、学習会として「韓国人に日本語を教える人のためのワンポイント」をテーマにお話しいただきました。参加者は、TIVONAの会員の他、一般の方、当日飛び入りで参加された方を含め、講演会・学習会あわせて45名でした。今回は、講演会の報告をします。

    江副隆秀先生講演会~

    今回の講演会では、江副先生が独自に考案した「重箱文法教授法」について、お話をしていただきました。この「重箱文法」は、重箱式日本語学習法、重箱文法とも言われ、江副先生が考案した日本語の文法教授法のことです。日本語の文は「変化しない言葉(情報、名詞グループ)と「関係助詞」と「変化する言葉(述部、動詞グループ)」から構成されているとし、「情報」と「関係助詞」の部分は、重箱のように順序(上下)を変えても通じるという法則があるというアイデアからスタートしています。例えば、「私は 彼氏と 銀座に (行った)」は「銀座に 私は 彼氏と(行った)」としても通じるとか、形容詞や形容動詞、助動詞など、外国人の日本語学習者に分かりにくい部分をなくしたのが特徴となっています。

     「重箱式」ではまず、従来の日本語文法が欧米言語と同じ視点に立ったもので、不具合があることを説明。例えば「は」の前を主語だとすると、「これはペンです」という文ではいいが、「日曜日は、姉は車で来ません」という文では「日曜日」「姉」「車」と三つも主語が出てくることになりおかしい、と疑問を掲示しています。そこで、日本語を「変化する言葉(動詞グループ)」と「変化しない言葉(名詞グループ)」に大きく分けることで文法を簡略化。両グループを「関係助詞」でつなぎ合わせていくのが、日本語の特徴だと説明されました。

     先生が作成された教材「江副ノート」の一部からその教材の使い方、指導方法を身振り手振りで説明してくださいました。残念ながら、時間の関係で、駆け足の説明でしたが、もっとお話を聴きたかった方も多かったのではないでしょうか。この教授法がいかに有効であるかということは、十分に理解することが出来ましたが、この教授法の習得には講義を受ける時間とトレーニングが必要なのではないかと思いました。日本語というものがシステマティックに構成されていて、教えるのが簡単であるという、普段「日本語は難しい」という先入観がある中で、この大胆な考え方には大変驚きました。

    この「江副ノート」について、先生のオリジナルの考え方を示したのが、先生の著書「日本語を外国人に教える日本人の本」です。その中には日本語ノートの作り方ということについて書かれた文があります。教師が、教えながら、工夫しながら、独自のノートを作って教えることが、江副流のシンプルかつ有効な教授法であるということを伝えています。日本語の教科書は様々なものがあり、教える場所によって異なってくるので、指導者の便宜を考慮し、どんな教材を使っても役に立つように、途中で量や場所を自由に変えられるルーズリーフ式の日本語学習ノートの作り方、使い方について記しています。このアイデアが形となったものが、「江副ノート」なのです。

    先生は、さまざまな教材の開発にも取り組んでおられ、1998年からオリンパスとの共同作業で「スキャントーク」という教材の開発を行ったことについてもお話してくださいました。当日会場では、この装置の実演してくださいました。スキャントークとは、単語のバーコードをスキャナーでなぞるとスキャナーに接続されている小型のスピーカーから音声が流れ、正しい発音を何度でも繰り返し聞き、繰り返し発声練習することができるという画期的な教材で、コンピューター等の器材を別途用意する必要がないとのことです。カセットや、ビデオなどの場合、巻き戻しの作業が入るわけですが、この教材はその必要はないのです。このような、教材開発への努力など、次から次へと新しいことにチャレンジしている先生のエネルギーには驚かされ、これからもたくさんの新しい発想が生まれてくるような気がしてなりません。

    「江副式重箱文法」は外国人に日本語教える日本語文法としては新しいものです。先生が教壇に立った1975年当時には「日本語教育の解説書」は皆無だったということ。そこから手探りでいろいろ始め、ブラジルや中国での教授した経験などから、現在に至っているということ。江副式重箱文法が、いかに教授方法の工夫をし、完成されたものであるということを知るよい機会であったと思います。先生の生き方や、重箱文法教授法についての楽しいお話を伺い、新たに勉強への意欲を高められた方も多かったのではないでしょうか。

    (吉波 信子)

    ※財団には、江副隆秀氏の著書「日本語を外国人に教える日本人の本」、「江副式重箱文法教授法」、「江

    副式重箱文法日本語学習法入門」、「日本語文法 江副ノート」があります。どうぞご利用ください。

    ※イーさんの学習会については、次回お伝えします。

     

    横浜市青葉国際交流ラウンジ 10年あゆみ

     横浜市青葉国際交流ラウンジ(旧緑国際交流ラウンジ)は、地域住民の国際交流活動の拠点として、国際交流に関する情報や外国人への生活情報を提供したり、自主グループの活動を支援しながら、地域の方々への国際理解と外国人との有効を深めるために、さまざまな活動を行っています。

    以前、TIVONAの会主催の講演会に、同会の会長を務められていた細川晴子氏にご講演をお願いしたことがございます。

    このたび、青葉国際交流ラウンジ10周年記念事業の一環として同団体の活動の記録である記念誌をいただきました。財団の蔵書コーナーにございますので、どうぞご覧ください。

     

    TIVONAの会新年会のお知らせ

     このたび、平成12年1月29日(土)午後6時よりTIVONAの会新年会を開催することになりました。毎年春に行われるTIVONAの会総会や国際交流フェア、講演会や学習会を除くとなかなか会員同士が顔を合わせる機会はあまりありません。ぜひ、この機会に皆さんの近況をお聞かせください。29日午後は、つくば国際会議場で県協会主催の日本語スピーチコンテストも行われます。参加を希望される方は、財団吉波(℡0298-56-7007)までご連絡ください。

    日時  平成12年1月29日(土)  午後6時から

    場所  金太楼鮨  つくば市東新井17-2 ℡0298-59-0008

    (小須賀 洋)

     

    皆様からのお知らせをお待ちしています

     TIVONA通信では、皆様からの日本語関係のお知らせ例えば、「日本語の個人指導をしてくれる人を探しています」や、「○○で、日本語のイベントがあります」など、掲載してまいりたいと思います。内容を検討のうえ、積極的に掲載していきたいと思いますので、お気軽にご連絡ください。

    (及川 和子・吉波 信子)

     

    編集後記
    冬は寒いので生徒さんの足も遠ざかりがちですね。ちょっと淋しいと思っている方も…。でも、そんな時だからこそ、ステップアップ!講演会や普段やりたい、やってみたいと思っていることにチャレンジしてみませんか?

    (大)


     

    編集後記

    2000年あけましておめでとうございます。去年は「2000年問題」で、特に暮れは、非常時に備えて食料品の買いだめをしたり、防災グッズをそろえたり、世間もなんとなく落ち着きませんでした。でも無事に新年を迎えることが出来き、普段あまり意識していなかった防災について家族と話せたことがよかったかなと思っています。それから、ミレニアムという言葉も多く聞きましたね。こちらは、「2000年問題」という言葉の響きから比べると、なんとなくハッピーな雰囲気。ところで、Y2Kの「K」が何かご存知でしたか?わたしは、最近やっとその意味がわかったところなんですよね。キロ(1000)のKだそうです。えっ、ちょっと考えればわかるって?最後まで残っていたなぞがとけてホッとしました。                               (よ)


     

    皆様からのお知らせをお待ちしています

     TIVONA通信では、皆様からの日本語関係のお知らせ例えば、「日本語の個人指導をしてくれる人を探しています」や、「○○で、日本語のイベントがあります」など、掲載してまいりたいと思います。内容を検討のうえ、積極的に掲載していきたいと思いますので、お気軽にご連絡ください。

    (及川 和子・吉波 信子)